ロシア サンクトペテルブルク国際経済フォーラム・レポート!
4回に分けて報告します!
SPIEFってどんなフォーラムなの?
2019年6月6日から8日にかけて、ロシアでサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(以下SPIEF)が開催されました。SPIEFは1997年に第1回が開催され、今年で23回目になります。
私は、ブロックチェーンに関するセッションのゲストとしてご招待して頂きました。本ブログではSPIEFについての大枠について触れさせて頂き、その後3回に分けて、ブロックチェーンセッションで話した興味深い内容をレポートします!
さて、SPIEFについてまずご説明すると、昨年の実績としては143ヶ国から1万7千人が参加しました。その中には1000人の登壇者や司会者、45ヶ国から記者4081人、合計運用額で世界のGDPの20%に相当する40の機関投資家が含まれます。また150のビジネスイベントが行われ、その結果として593件の合意書が署名され、契約総額2兆6520億ルーブル(約4兆4000億円)に上る大規模イベントになりました。
今年のフォーラムのキートピックは「持続可能な開発アジェンダの創出」です。そして以下の4つが主要テーマです。
① 「バランスを模索する世界経済」
トピックとして上海協力機構内の輸送パートナーシップ、世界の海洋の保全管理や研究、世界経済の秩序、各国のインターネット規制法、ユーラシア経済連合の成長戦略、ロシアの公共交通機関の魅力強化、世界の食料市場におけるロシアの評判などが含まれます。
エネルギーパネルでは、原油ガス産業の持続可能な開発の包括的分析などに焦点が当てられました。
② 「ロシア経済:国家発展目標の達成」
国家発展目標達成の基盤としての経済成長促進法、中小企業ビジネスの発展、廃棄物管理市場改革の結果と展望、世界の競争、ロシア教育の輸出ポテンシャル、建設業の変革、ロシアの住宅と公共インフラなどに焦点を当てました。
ロシア各地方の投資環境格付けも発表されました。
③ 「未来を形作るテクノロジー」
AI開発、サイバー脅威、経済分野のデジタル化、国際的な学術強力に焦点が当てられました。製造のデジタル化、鉱物資源のデジタル管理、原油ガス企業とヘルスケアのデジタル・技術的変革といったトピックが含まれます。
④ 「市民第一」
企業の健康プログラム、デジタル経済における機会均等、科学、教育およびビジネスにおける統合的協力戦略、慈善事業における官民パートナーシップに焦点が当てられました。
またブロックチェーンに関連するトピックとしては、以下のようなセッションが行われました。
「ブロックチェーンと暗号通貨技術:過去、現在、未来」
イーサリアム財団のウラジスラフ:マルティノフ氏がモデレーターを務め、ヴィタリック・ブテリン氏などをパネリストに招待し、仮想通貨における実際のコストやICOでの主な失敗例、そして市場における新しい枠組み、提携、技術的融合などを議題として討論が行われました。(こちらのレポートを今後3回に分けてブログ更新します)
「デジタルトランスフォーメーション:旧世界へ死を告げる鐘?」
ロシア暗号通貨・ブロックチェーン協会のユーリー・プリパチキン会長がモデレーターを務め、パネリストとしてセルゲイ・グラジエフ大統領顧問やロシア議会金融市場委員会のアナトリー・アクサコフ委員長などが招待されました。
「未来の共創:持続可能な開発目標実現のためのビジネスソリューション」
B20地域協議フォーラムになります。これは、2019年にB20の議長国を務める経団連とロシア産業家企業家連盟が主催する共同イベントです。
日本はIoT、5G通信、ビッグデータ、人工知能、ロボティクス、ブロックチェーンといったデジタル技術の総合的な導入によって「ソサエティー5.0」を実現しようとしています。このフォーラムではG20や国際機関の代表がソサエティー5.0の実現手段を含む、B20の提案を協議しました。
日本からは経団連の日本ロシア経済委員会委員長でもある丸紅の朝田照男会長や、沖縄県の玉城デニー知事が出席しました。
またIBM東ヨーロッパ / アジアとノリリスク・ニッケルおよびモスクワ物理工科大学によるブロックチェーン技術アカデミック・コンピタンスセンターの設立に署名する調印式が行われました。
センター設立後、主にブロックチェーンやIoT最適化システムにおけるITの実用化に向けた学生研修、デジタルエコシステムの研究開発、効果的な取り組みの開発が行われるそうです。
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参考: