SPIEF「ブロックチェーンと暗号通貨技術:過去、現在、未来」
セッションのダイジェスト(3/3)
ロシアで開かれたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで6日に行われたセッション「ブロックチェーンと暗号通貨技術:過去、現在、未来」のダイジェストを3部構成でご紹介しています。今回は最終回!
3本目の今回の記事ではイーサネット2.0、コンスタンティノープル、イスタンブールといったアップデート、そしてスケーラビリティやセキュリティに関するブテリン氏の見解にフォーカスします。
マルティノフ氏「イーサリアム2.0について詳しくお願いします。イーサリアムのスケーラビリティに関する課題を解決する新しいリリースはいつ出ますか?」
ブテリン氏「『コンスタンティノープル』は2月25日にアクティブになったので、もう数ヶ月になります。コンスタンティノープル以降、近い将来におけるアップグレードはスケーラビリティにフォーカスしていきます。近い将来行われるアップグレードは基本的に100%、PoSやスケーラビリティといったセキュリティリスク関連になるでしょう。
他のアップグレードとしては『イスタンブール』が間もなくリリースされます。PoSやスケーラビリティの改良が含まれます。
イーサリアム2.0はイーサリアムブロックチェーンを、PoSとシャーディングをベースにした、よりスケーラブルでセキュアなシステムへと移行させる取り組みです。その大半はブロックチェーンの効率を大きく向上させる技術です。PoSの面では、大きな進歩があります。PoSはテストネットで少なくとも数週間は実行されています。イーサリアム2.0のPoSは完成に近く、リリースに非常に近づいています。
PoSのあとはシャーディングです。順番に行っているわけではなく、もちろんPoSのコードが書かれる一方でシャーディングプロトコルの仕様も活発に進んでいます。来年あたりの実装およびロールアウトを予定しています。PoSは今年の年末近く、シャーディングは来年中でしょう。
マルティノフ氏「PoSとシャーディングの実装後、イーサリアムは5つの必須要素、スケーラビリティ、効率性、相互運用性、機密性およびセキュリティの全てを手に入れると考えていいですか?」
ブテリン氏「機密性に関しては、改善の余地が残っています。イーサリアム2.0は計算のような一般的な目的のためのベースレイヤーを提供するだけだからです。機密保持は全て可能ですが、誰かがプラットフォームを正しく構築し、コーディングする必要があります。
セキュリティに関しては複数の側面があります。まずブロックチェーンのセキュリティですが、これは基本的にPoSで、また私がイーサリアム2.0の実装コードとスペックを監査しています。そのためチェーン面では大丈夫でしょう。
ですがアプリケーションとユーザーという観点からのセキュリティという他の問題もあります。ここには2つの大きなセキュリティ面での課題があります。
その1つはスマートコントラクトコードに関するセキュリティですが、大きな技術的進歩があります。もう1つはウォレットのセキュリティです。アカウントにアクセスし、アカウントへのアクセスを維持したまま、アカウントへのアクセスが盗まれないユーザービリティのセキュリティです。ここにも最近興味深いイノベーションがあり、来年も継続するでしょう。
HTCはブロックチェーンスマホを最近リリースしましたが、「Social Key Recovery」システムという私がとても気に入っている機能があります。これは基本的に、信頼できる連絡先をいくつか選び、数学の公式を用いて、あなたのキーを信頼できる連絡先に分割するというもの。紛失しても、連絡先が協働することでキーを復元することできます。ハッキングにあっても変更可能です。またアカウントを管理せずに、様々な方法であなたのアカウントを保護するサードパーティの仲介者の取り組みも多くありました。
1秒間に2万5千回取引ができるといったことに比べて、ウォレットのセキュリティは話題には上りませんが、ブロックチェーンが一般的なユーザーにとっても便利なものであるためには重要なことです。
さいごに。自分がフォーラムに行った記録を残しておこうと思いますー。
では、また!